H31 新年のご挨拶 生長の家総裁 谷口雅宣先生

生長の家総裁 谷口雅宣先生

生長の家総裁 谷口雅宣先生

皆さん、明けましておめでとうございます。
この新しい年、2019年を、皆さんと共に健康でつつ がなく迎えられることを神さまに心から感謝申し上げます。 有り難うございます。

本年は、私たちが二年前から進めている「〝新しい文明〟 の基礎を作るための三カ年計画」の最後の年です。これまで の〝古い文明〟では、人間は幸福実現のために自然を破壊 することをやめられず、ついに地球温暖化による海面上昇 や気候変動などを起こして、幸福を求めてきた人類自体が、 危険な状態に近づいています。これに対して〝新しい文明〟 とは、自然の繁栄が人間の繁栄と幸福であるような生き方 であり、そんな生き方を支え、拡大する信仰や哲学、科学 技術、経済、政治の全体のことです。

このような文明は、私たち人間の自然に対する考えと生 き方を変えるところから始まる、と考えます。そこで、私 たちは二年前から、私たちの価値観とライフスタイルを変 革するために、次の〝三つの実践〟に取り組んできました。

それらは:

① ノーミート、低炭素の食生活

② 省資源、低炭素の生活法

③ 自然重視、低炭素の表現活動

です。

そして、この三つのライフスタイルをより具体的、組織 的に毎日の生活の中で展開していくための仕組みが、昨年 から本格的に活動を始めた次の三つです:

① SNIオーガニック菜園部

② SNI自転車部

③ SNIクラフト倶楽部

これらの活動に参加する人は、昨年初めの時点ではごく少 数でしたが、12月10日の時点では、菜園部が1,138人、 自転車部が575人、クラフト倶楽部が870人になり、 活動内容は日に日に充実してきています。しかし、生長の家 の組織の会員は今37,000人ほどですから、今後さらに多く の方々が、この〝新しい文明〟の構築に向けたライフスタ イルの転換に参加してくださるに違いありません。

こんな話を聞くと、皆さんの中には、宗教の信仰と自転 車に乗ること、あるいはクラフトを作ったり、野菜を育て ることの間には、何の関係があるのか、と不思議に思う人 がいるかもしれません。しかし、私たち日本の歴史を振り返 ってみると、山中で精神と肉体を鍛えたり、生活必需品を自 作したりすることは、昔から宗教の修行の一部であったし、 オーガニックな精進料理は禅寺から始まったことを思い出 します。また、キリスト教の伝統の中でも、修道院で農作 業や手工芸品の製作をすることは当たり前でした。自分の 頭脳や肉体を使って、神の創造になる自然界から食糧や生 活必需品を得ることは、神の恵みを感じ、それに感謝する 信仰心と不可分の時代が長く続いていたのです。

しかし、近代化が進むと、自然界は科学技術によって利 用し、搾取すべき対象として考えられるようになりました。 「神」や「仏」は形や感触のある自然から離れて、しだいに 抽象的な存在になっていきました。それと共に、食糧や生 活必需品を与えてくれるものは「神」ではなく、「科学技術」 であるとの考えが拡がり、自然に対する感謝の気持はしだい に失われていきました。なぜなら、科学技術は人間が生み 出したものであり、それがうまく機能するのは「神の恵み」 によるのではなく、人間の技術の優劣による、と考えられ るからです。私たちは、自然界がなければ、科学技術もそ の恩恵も存在しなかったことを忘れてしまいました。こう して、神や仏に取って代わった科学技術への信仰とその発 達のおかげで今、地球全体で自然破壊が進み、気候変動が 起こっています。

私は数年前、〝新しい文明〟を築くための指針として、次 の三項目の実現を目指すことを皆さんに提案しました。そ れらは:

① 欲望の適切な制御

② 富の公正な分配

③ 国際平和の維持

です。

この中で、宗教運動と最も近い関係にあるのが、第一番目の「欲望の 適切な制御」です。先に示した三つのクラブによるライフスタイルの転 換は、この「欲望の適切な制御」を実現するためのものです。

生長の家は、「欲望」を悪として否定してはいません。それは、肉体 の生命維持と子孫繁栄のために必要なものです。しかし、野放図に解放 したり、多ければ多いほどいいなどとは考えません。時と場合によって、 適切に制御すべきと考えます。ところが、現在の経済学のほとんどは、欲 望を「需要」という言葉に置き換えて、それを喚起し、拡大することで 人間の幸福は増進すると考えます。これが、自然破壊や資源枯渇、温暖 化を生んだ大きな要因だ、と私たちは考えます。

今年2019年は、日本を含む東アジアでは「亥年」――つまり「イ ノシシの年」とされています。イノシシは、ブタの祖先と考えられてい ますが、日本には古く縄文時代から生息していて、食用にされていまし た。そんなイノシシに因んだ諺に、こういうのがあります――

「イノシシも七代目にはイノコになる」

イノコとはブタのことで、この意味は、「変わらないように見えても、 長い年月の間には何事も成長したり変化する」ということです。

人類は長い間、自然破壊によって幸福を得ようとしてきました。そし て全体としては、一定程度の幸福を得たのではないでしょうか? しか し、世界人口が七十億を超えて九十億に達しようとしている現在、自然 破壊は私たちの生活破壊につながっています。大量の難民の流出は、私 たちのライフスタイルと無関係ではありません。物質的富の拡大と追求 は、かつては幸福を増進したとしても、今は不幸の原因になっています。 イノシシはブタになったのです。この「地球」の環境をこれ以上破壊す ることは、今や人類を破壊に導くことと同じ意味になっています。宗教 運動は人間を救わねばならないという意見に、私は大賛成です。だから こそ、人間が生きる唯一の場であるこの地球の自然を、私たちは破壊か ら護らねばならないのです。

そのような宗教本来の活動が、毎日の生活の仕方を変えることででき、 しかも〝苦行〟によってではなく、自然の恩恵をいっぱいに感じる〝楽 行〟によってできるならば、これほど嬉しいことはないと思います。皆 さん、これからもまた、オーガニックの野菜作りや自転車の積極的活用、 そして世界に一つしかないクラフトの製作を通して、私たち人間が自然 と共に成長する生き方の開発と拡大に、さらに喜んで取り組んでまいり ましょう。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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