令和2年 新年のご挨拶 生長の家総裁 谷口雅宣先生

生長の家総裁 谷口雅宣先生

生長の家総裁 谷口雅宣先生
〝平和への道〟を進もう

皆さん、明けましておめでとうございます。
この新しい年を皆さんと共につつがなく迎えることができたことを、神さまに心から感謝申し上げます。有難うございます。

 

一昨年、日本では3月までの豪雪、6月には大阪府北部地震、7月には西日本豪雨、9月には北海道胆振東部地震がありました。また、昨年8月には九州北部豪雨があり、続けて台風15号(Faxai)により千葉県で長期にわたる大規模停電があり、10月には台風19号 (Hagibis)による関東・長野・東北地方の大水害など昨今、日本では大きな災害が増加しつつあります。

世界全体でも、気候変動による深刻な被害は拡がっています。昨年夏には、熱波がヨーロッパを襲い、フランスでは摂氏46度、ドイツでは42.6度まで気温が上昇しました。洪水は日本だけでなく、南米のアルゼンチンやウルグアイでも起こりました。その他、アメリカのカリフォルニア州では長期にわたり山火事が続き、多くの人々が大切な家を失いました。南半球のオーストラリアでも干魃が続く中、森林火災が拡大し、昨年9月から12月上旬までの延焼面積は、前年の十倍を超える200万ヘクタールを上回るといいます。この広さは、日本の四国全体を超える面積です。

 

これらの異常気象を念頭に、国連の世界気象機関 WMO ) は、昨年11月に、地球温暖化の原因である温室効果ガスの世界平均濃度が2018年に、観測史上最も高い数値(407.8ppm)を示したと発表し、2019年の統計が出れば、濃度はさらに上がるのはほぼ確実との見解を示しました。記者会見したターラス事務局長は、「このまま平均濃度が上昇し続ければ、次世代は気温のさらなる上昇や水不足、それに海面上昇など、より深刻な気候変動の影響を受けることになる」と警告しました。

 

この会見で私が注目したのは、「百年に一度起こるような極端な熱波や洪水が、今後はもっと定期的に起こる」という指摘です。日本の気象庁は、「数十年に一度」の極端な気象が起こる可能性が高い時に「特別警報」を出すのですが、この「数十年に一度」という表現では、今後の気象変動の深刻さを正確には伝えないと、私は思います。なぜなら、の危険を経験した人は、 「数十年に一度」同じリスクはまた数十年後にやってくると考えるからです。しかし本当は、これまで「数十年に一度」しか起こらなかったことが、今後はもっと頻繁に起こることを覚悟して、私たちは生きていかねばならないのです。

 

生長の家では、このような未曾有の気候変動に対処するために、 2013年に大都市・東京から八ヶ岳南麓の〝森の中〟に国際本部を移転し、2011年の東日本大震災により福島第一原発の事故から学んで、再生可能の自然エネルギーだけで業務を遂行する〝炭素ゼロ〟の目標を掲げました。そして現在、それを実現しただけではなく、昨年末には、大容量の蓄電池をオフィスに増設したことで、外部から電力の供給を受けない〝オフグリッド〟のシステムを構築しました。実際の運用はこの春からですが、これによって私たちは温室効果ガスを排出することなく業務を遂行し、職員も普通に生活し、さらに今後の災害発生時には、自立したエネルギーによって業務を継続できるだけでなく、地域への貢献も可能になると考えています。

 

これらの行動は、〝新しい文明〟を構築する基礎作りの第一歩 です。地球温暖化による気候変動は今、私たちの目の前で現実に、 激しさを増しながら展開しています。それなのに何もしないとい うのは、神が私たちに与えてくださった理性を使わず、私たちの 祖先が営々と築き上げてきた科学技術を無視し、世界の多くの宗 教が声をそろえて説き、実践を勧めてきた、他を慮る心、愛の心、 慈悲の心を否定することです。

 

今、世界中で、気候変動の影響によって伝統的な作物が育たなくなり、漁場 が失われ、干魃あるいは大洪水、山火事や土壌の流出などで、食糧不足、水不 足が起こっています。そんな中で世界人口は76億人に膨れ上がり、まもな く90億人に達するでしょう。経済的に〝豊かな〟国と〝貧しい〟国との格差は拡大を続け、同じ国の中でも経済的に〝豊かな〟人と〝貧しい〟人との格差 が拡がっています。貧富の差の拡大は、社会に対して様々な悪影響を与えます。 その中の一つは、〝貧しい側〟に置かれた大多数の人々が、社会を顧みなくな ることです。社会を呪い、秩序を乱したり、破壊活動に向かう傾向が増大しま す。これは一国の中だけでなく、国と国との関係の中でも起こります。私たち はそれを、テロや国際紛争の拡大の形で目撃しているのです。

 

しかし、私たちにはまだできることが数多く残っています。化石燃料の使用 をやめること。自然破壊をやめることができます。都会の安易な便利さを追求 するのではなく、自然をよく知り、自然との接触を深め、自然と共存する生き方を進めることは可能です。それは苦しいものではなく、厳しくても楽しいも のです。生長の家は、すでにそれを全国で始めています。そして、その生き方 を拡大していくことが貧富の差の拡大を防ぎ、人間同士のつながりを深め、テ ロや紛争を防止することにつながると信じます。

しかし、この生き方への転換には、条件が一つ必要です。それは人口が密集し、 物が豊富でインフラが整った都市生活の便利さを、ある程度諦めることです。

「そんなことはできない」と皆さんは思われますか? 価値観とライフスタイルを変えて、自然と共に生きる道を選ぶか、それとも 価値観もライフスタイルも変えず、物と便利さをさらに追求し、エネルギーを 大量消費する生き方を続けながら、殺伐とした都会で競争に明け暮れ、増加す る自然災害に堪える一方、軍備を拡大して、資源やエネルギー獲得のために他 国と争う生き方を選びますか?

 

私は皆さんが、後者を選択せずに、前者を選択されることを心から望みます。 その「選択の年」が今年です。生長の家は「プロジェクト型組織」という新し い組織を作って、その活動に参加することで、普通の人たちが日常生活の中で、 自然と共に生きるノウハウを得、それをライフスタイルにまで築いていく運動を始めています。皆さん、どうかこの運動に参加し、さらに多くの人々をお誘 いして、新しい価値観とライフスタイルを拡大していきましょう。欲望充足を 追求する道は〝戦争への道〟ですが、自然と共に生きる道は〝平和への道〟です。

 

勇気と喜びをもって〝平和への道〟を歩んで参りましょう。本年もどうぞよ ろしくお願い申し上げます。

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